IBSA ブラインドサッカー男子世界選手権 2023
日本代表は世界選手権過去最高位の5位入賞!
〜パリ2024パラリンピック競技大会出場権獲得の可能性を残し大会を終える〜
2023年8月15日(火)〜25日(金)にかけてイギリスで開催された「IBSA ブラインドサッカー男子世界選手権 2023」において、ブラインドサッカー男子日本代表は世界選手権過去最高位となる5位入賞を果たしました。また今大会の結果により、アルゼンチン・コロンビア・ブラジルのいずれかの国が、今年11月に開催される「パラパンアメリカン競技大会2023」で優勝した場合に、「パリ2024パラリンピック競技大会」の出場権を繰り上がりで獲得します*。
なお、本大会の決勝戦は0-0(PK2-1)でアルゼンチンが中国に勝利し優勝を決め、今大会ブラインドサッカー男子および女子カテゴリー両方とも、アルゼンチン代表の優勝という結果となりました。
*パリ2024パラリンピック競技大会出場権獲得条件について:
今年11月開催のパラパンアメリカン競技大会2023優勝国にも、パラリンピック出場権が割り当てられるため、今大会で出場権を獲得したアルゼンチン・コロンビア・ブラジルのいずれかが同大会で優勝すると、世界選手権5位国(日本)にパラリンピック出場権が割り当てられます。
最終順位
1位:アルゼンチン/2位:中国/3位:ブラジル/
4位:コロンビア/5位:日本/6位:イラン/7位:フランス/8位:イタリア/
9位:タイ/10位:モロッコ/11位:ドイツ/12位:スペイン/13位:イングランド/14位:メキシコ/15位:トルコ/16位:マリ(※大会不参加のため全て不戦敗)
個人賞等
ベストGK:HUACHU XU(中国・背番号12)
得点王:Paul Iyobo(イタリア・背番号7)7得点
MVP:Maximiliano Espinillo(アルゼンチン・背番号15)
フェアプレー賞:タイ代表
監督・主将コメント
中川英治監督
今大会5位という結果で、日本の世界ランキングが4位なので、世界ランク通りの結果となりました。大会全体としては、出場16チームの力の差はほとんどなく、その中でブラジル・アルゼンチン・中国は一歩リードしている状況。この一歩リードしている3チームにどれだけ近付いていくかが、今後の大きな課題だと思っています。ただ、中国と今回対戦してみて、大きな力の差は感じなかったですし、ブラジル・アルゼンチン相手にも、先々月の大会で良いパフォーマンスができたので、本当にあと一歩のところまで来ているなという印象があります。今回、既にパラ出場権を獲得しているチームのうち、2チームが予選リーグ敗退という予想外の結果だったので、準々決勝で負けた後に、2試合連続で勝たなければならないという大きなプレッシャーはあったのですが、よく選手もスタッフも乗り越えてくれたと思いますし、今まで悔しい想いをしてきた経験が、すごく活きたのではないかなと思いました。
選手・スタッフの力もそうですが、スポンサーの皆さんのご支援や、今まで悔しい想いをしてきて、協会が普及や育成にもしっかりと目を向けて取り組んできたことなど、そういった全体の取り組みというのが、今回の成果に繋がったと思います。今まで歴史を繋いできてくれた人たち、応援してくれる皆さんに本当に心から御礼を申し上げたいです。たくさんの応援、ありがとうございました。
川村怜主将
初戦は緊張感がありながらも勝ち点3を狙いにいきましたが、試合終了間際に追いつかれて勝ち点1となり、かなり落ち込みました。しかしすぐ切り替えて2戦目に挑めて、タイ戦で勝ち点3を取って、そこから勢いに乗れたと思います。トルコ戦もかなりハードでしたが、平林選手がいい時間帯に点を取ってくれて、いい流れでグループリーグ突破を決めることができました。準々決勝中国戦に向けては、最高の準備ができ、集中して試合に挑めましたが、日本のミスから失点してしまって、流れが中国に向いてしまい難しいゲームになりました。ただ完全に崩されてやられた感覚はなかったので、それだけに余計悔しく、一瞬心が折れそうになりましたが、「あと2勝すれば、いけるんだ」とみんなで励まし合い、ポジティブに声を掛け合って、チームを立て直して、メンタル的にもいい準備ができました。フランス戦も、平林選手の先制点に加えて、私自身も追加点が取れて本当に嬉しかったですし、個人的にも世界選手権で初ゴールを決めることができました。とにかく枠内に強いシュートを打つという思いで振り抜いたら、良い結果になりました。試合は結果的に2-0で、これまでの大会も含めて、2点目が取れないという課題がずっとあったので、そこも克服でき、無失点で、本当にいい勝利だったと思います。感覚的にも勢いに乗れた勝利でした。5位決定戦は、アジアのライバルのイランということで、やはり中国もイランも超えないとパラリンピックには行けないんだと、運命なんだなと感じましたし、神様が用意してくれたシナリオ、私たちに与えてくれた試練というか、こういった道のりを用意してくれたと感じました。歴史を作る、壁を乗り越えていく力があるチームだと信じていたので、後半、諦めずに戦い続けて前に進んだことでフリーキックを得て、上林コーチの指示通りにいつもの練習通り蹴って、みんなの気持ちがボールに乗って、ゴールに吸い込まれたんじゃないかなと思います。日本チーム全員で掴み取った、日本中から応援してくれた人たち、スタンドから応援してくれた人たち、そして今回はブラインドサッカー女子日本代表、ロービジョンフットサル日本代表と、3カテゴリーみんな切磋琢磨して、みんなで結果を出して刺激し合って、お互いを高め合ってくれた仲間たちのおかげだなと思います。日本選手団の一員として、世界選手権に挑めて、結果的に5位という成績で終えられたことは非常に満足していますし、パリ大会の出場権についてはまだ確定ではないので、実感が湧かないですが、目標にしてきたところは達成できましたし、今大会では世界選手権過去最高順位ということで、どんどん歴史を作り、チームや自分が進化していくことをすごく楽しく感じています。
応援していただいた皆さん、本当にありがとうございました。皆さんの応援がなければ、日本代表チームはここまで戦えなかったですし、壁を超えられなかったと思うので、スタンドから日本コールを声で伝えてくれた仲間や、日本から声援を送ってくれた方々の想いが、本当に私たちに届いて力になりました。本当に感謝しています。自分たちだけでは、達成できなかったことだと思うので、ブラサカファミリー全員で掴み取った勝利だと思います。これからも日本代表の挑戦は続くので、僕たちの進化していく姿を見守っていてください。応援ありがとうございました。
試合結果
決勝トーナメント・順位決定トーナメント
決勝トーナメント
準々決勝① ●イタリア 0-1 アルゼンチン○(試合映像)
準々決勝② ●日本 0-1 中国○(試合映像(日本語)/試合映像(英語))
・日本の先発メンバー:川村怜、佐々木ロベルト泉、平林太一、後藤将起、佐藤大介
試合映像)
準々決勝④ ●フランス 0-1 ブラジル○(試合映像)
準決勝① ○アルゼンチン 3-1 コロンビア●(試合映像)
準決勝② ○中国 0-0(PK2-0)ブラジル●(試合映像)
3位決定戦 ●コロンビア 1-7 ブラジル○(試合映像)
決勝戦 ○アルゼンチン 0-0(PK2-1)中国●(試合映像)
順位決定トーナメント
順位決定トーナメント① ●トルコ 0-0(PK1-2) イングランド○(試合映像)
順位決定トーナメント② ●マリ 0-6 メキシコ○ ※不戦勝
順位決定トーナメント③ ○タイ 1-0 ドイツ●(試合映像)
順位決定トーナメント④ ●スペイン 0-0(PK0-1) モロッコ○(試合映像)
順位決定トーナメント⑤ ●イタリア 1-1(PK2-3)イラン○(試合映像)
順位決定トーナメント⑥ ○日本 2-0 フランス●(試合映像)
・日本の先発メンバー:川村怜、佐々木ロベルト泉、平林太一、後藤将起、佐藤大介 ・日本の得点者:平林太一(背番号6・第1ピリオド8分)、川村怜(背番号10・第2ピリオド12分)
5位決定戦 ●イラン 0-1 日本○ (試合映像)
・日本の先発メンバー:川村怜、佐々木ロベルト泉、平林太一、後藤将起、佐藤大介 ・日本の得点者:川村怜(背番号10・第2ピリオド4分)
7位決定戦 ●イタリア 1-2 フランス○(試合映像)
9位決定戦 ○タイ 1-1(PK3-2)モロッコ●(試合映像)
11位決定戦 ○ドイツ 1-0 スペイン●(試合映像)
13位決定戦 ○イングランド 1-0 メキシコ●(試合映像)
15位決定戦 ○トルコ 6-0 マリ●(-)※不戦勝
予選グループリーグ
予選グループリーグ順位
( )内の数字は世界ランク
・グループA:1位 イタリア(16)、2位 日本(4)、3位 タイ(5)、4位 トルコ(9) ・グループB:1位 中国(6)、2位 アルゼンチン(1)、3位 ドイツ(17)、4位 イングランド(12) ・グループC:1位 コロンビア(11)、2位 フランス(8)、3位 スペイン(3)、4位 マリ(17)※マリは大会不参加のため全て不戦敗 ・グループD:1位 ブラジル(2)、2位 イラン(13)、3位 モロッコ(7)、4位 メキシコ(10)
グループごとの試合結果
●グループA
*△日本 1-1 イタリア△(試合映像)
・日本の先発メンバー:川村怜、佐々木ロベルト泉、平林太一、後藤将起、佐藤大介
・日本の得点者:平林太一・背番号6(第1ピリオド9分)
△タイ 0-0 トルコ△(試合映像)
*●タイ 0-1 日本○(試合映像)
・日本の先発メンバー:川村怜、佐々木ロベルト泉、平林太一、後藤将起、佐藤大介 ・日本の得点者:平林太一・背番号6(第1ピリオド9分)
●トルコ 1-2 イタリア○(試合映像)
*○日本 1-0 トルコ●(試合映像(日本語)/試合映像(英語))
・日本の先発メンバー:川村怜、佐々木ロベルト泉、平林太一、後藤将起、佐藤大介 ・日本の得点者:平林太一・背番号6(第1ピリオド13分)
○イタリア 3-2 タイ(試合映像)
●グループB
●イングランド 0-1 ドイツ○(試合映像) △アルゼンチン 0-0 中国△(試合映像)
△アルゼンチン 0-0 イングランド△(試合映像)
○中国 2-0 ドイツ●(試合映像)
●イングランド 0-1 中国○(試合映像)
●ドイツ 0-2 アルゼンチン○(試合映像)
●グループC
○コロンビア 3-0 スペイン●(試合映像)
○フランス 6-0 マリ● ※マリ不参加のため不戦勝
△フランス 1-1 コロンビア△(試合映像)
●マリ 0-6 スペイン○ ※不戦勝
○コロンビア 6-0 マリ● ※不戦勝
●スペイン 2-4 フランス○(試合映像)
●グループD
●イラン 0-1 ブラジル○(試合映像)
●メキシコ 0-3 モロッコ○(試合映像)
△メキシコ 1-1 イラン△(試合映像)
●モロッコ 0-1 ブラジル○(試合映像)
○イラン 1-0 モロッコ●(試合映像)
△ブラジル 0-0 メキシコ△(試合映像)
大会概要
大会日程
・ブラインドサッカー男子:2023年8月12日〜25日
・ブラインドサッカー女子:2023年8月12日〜21日
・ロービジョンフットサル:2023年8月13日〜22日
会場
・ブラインドサッカー男子、女子:University of Birmingham Bournbrook Pitches(イギリス・バーミンガム)
・ロービジョンフットサル:University of Wolverhampton Walsall Campus(イギリス・ウォルバーハンプトン)
日本代表派遣選手・スタッフ
https://www.b-soccer.jp/news/22489-20230706
試合スケジュール
https://www.b-soccer.jp/news/22572-20230801
大会HP
https://www.ibsagames2023.co.uk/
ブラインドサッカー男子予選グループリーグ組み合わせ
※( )内の数字は世界ランク
グループA:日本(4)、イタリア(16)、タイ(5)、トルコ(9)
グループB:イングランド(12)、ドイツ(17)、アルゼンチン(1)、中国(6)
グループC:コロンビア(11)、スペイン(3)、フランス(8)、マリ(17)
グループD:イラン(13)、ブラジル(2)、メキシコ(10)、モロッコ(7)